マイケル・ジャクソンのオスカー像



マイケル・ジャクソンは『風と共に去りぬ』作品賞のオスカー像が競売に出た際、150万ドルで落札した。しかし、オスカー像の転売は禁じられており、アカデミー協会に1ドルで回収されてしまった。

という雑学は有名だが、色々と疑問点が出てきたのでメモ。


●1940年「風と共に去りぬ」受賞時には転売禁止の規定が無かった。
=========
現在、アカデミー賞を選定している映画芸術科学アカデミーは1951年にノミネート対象者に対して、「もし受賞した場合は他人に有償無償を問わず譲ってはならない」という条件に同意を取っている。また売りに出されたオスカー像は全て1ドルでアカデミーに譲り渡さなければならない。しかし、1950年以前に授与された像は規定が適用されないためにたびたび市場に出回った。(Wikipedia「オスカー像」-2016/4/21)
https://ja.wikipedia.org/wiki/オスカー像
=========
1992年に第19回(1946年)を助演男優賞を受賞したハロルド・ラッセルは、妻の医療費を工面するため競売にかけられ、65000ドルで売却された。(Wikipedia「オスカー像」-2016/4/21)
=========
⇒ハロルド・ラッセルのオスカー像が購入者から1ドルで回収されたというニュースはない。
⇒⇒1950年以前のオスカー像なら転売したのが1951年以後でも回収されない?
⇒⇒⇒マイケルは1940年のオスカー像を1999年に購入している。


●マイケル・ジャクソンのオスカー像が回収されたのは「盗品」だから?
=========
映画芸術科学アカデミーは、「売りに出されたオスカーを“盗品”扱いとし、1ドルで回収できる」という特別措置まで用意してオスカーの売買禁止を訴えている
http://eiga.com/news/20071019/8/
=========
⇒「盗品」ではなく「盗品扱い」。マイケルのオスカー像もラッセルのオスカー像も変わらない?
⇒⇒マイケルが買ったオスカー像の出品者は誰?


●マイケルの遺産管理団体が「オスカー像が行方不明になっている」と発表。
=========
「マイケルの死後すぐに、彼の資産は不動産の遺言執行者の管理下に置かれていたはずなのですが、『風と共に去りぬ』の名前が刻まれたオスカー像が、物置も含めた敷地内のどこにも見当たらないそうです。この像は、マイケルの子供たちの所有物になるので、ある時点で見つかるだろうと希望を持っています」とマイケルの代理人がハリウッド・レポーター誌に語っている。(ムービーウォーカー・2016年2月29日)
http://news.walkerplus.com/article/73352/
=========
⇒本当にアカデミー協会に売却していたのなら「行方不明」とは発表しないのでは?



■■まとめ■■
●マイケルが買ったオスカー像自体には転売禁止の規則は無かった。
●が、購入した時にはオスカー像の転売禁止のルールが作られていた。そのルールが過去のオスカー像にも適用されるかは不明。
●もしもマイケルのオスカー像が回収されたのなら「購入者がマイケルだった」「以降のオスカー像の売買への警告」という意味合いが強いように思う。
●マイケルが資産家とはいえ、購入に150万ドルかかった像を規則が曖昧な中で1ドルで買い戻すのはありえるのか?
●マイケルの遺産管理団体は「オスカー像が行方不明」と発表している。このことから、アカデミー協会に返却した記録もない。


BACK HOME